地域に愛される、ふるさとの銘菓
Q:創業はいつ頃ですか?
昭和46年から。わしが初代の店主で息子が2代目。近くの菓子屋に10年ほど勤め、この店を開業したんよ。開業した当時は、大歩危(おおぼけ)や祖谷(いや)、遠くなら高知県大豊町まで50件ぐらい店を配達して回ってたんでよ。Q:「大歩危ようかん」の特徴を教えてください。
うちの羊羹は、昔からの製法をずっと守り続けとる、昔ながらの羊羹でよ。煮詰めた羊羹を木枠の中に流し込み、冷えてきたら羊羹の表面に薄く固まった砂糖がふき出してくる。ふき出た砂糖を薄く均等にのばして、1本ずつカットしていく。この表面に薄く伸ばした砂糖が食べた時、シャリっとした食感が味わえるのと、あと口があっさりして甘さ控えめなのが特徴。この羊羹が好きっていう人が、遠くから買いに来てくれる。おいしいって言うてくれたら励みになるな。Q:人気の「大歩危ようかん」には、何かエピソードがあるようですね。
大歩危ようかんが、全国放送のテレビに紹介されたんでよ。番組のなかで全国の土産物コーナーがあって、大歩危ようかんの“大歩危”(おおぼけ)が珍しいって。テレビの放送がきっかけで、全国からたくさん注文があってな。皆、おいしい言うてよく売れたでよ。Q:「大歩危ようかん」のほかには、どのような商品を作っていますか?
おぼろまんじゅうやロールカステラ、冬になったらバタークリームのショートケーキも作るんでよ。季節ごとに商品を変えて作っとる。年間40種類以上のお菓子は作ってるよ。Q:今後の目標を教えて下さい。
観光で来られたお客さんはもちろん、地元のお客さんにも愛されるお菓子をこれからずっと作り続けたい。それと父から受け継いだ味や技術を、これからも守り続けていきたいな。